値札の価格は「税込で書く」のが基本です。この記事では、総額表示の決まりと、そのまま使える税込・税抜の書き方の例、避けたい書き方、食品(8%)と雑貨(10%)が混ざるお店の計算、1円未満の端数、免税事業者の書き方までまとめました。雑貨屋・八百屋・酒屋・パン屋・古着屋など、小さなお店の値札・プライスカード・POPに使えます。
結論:値札には、お客様が払う税込の金額を大きく書く
お客様が値札を見て知りたいのは、レジで払う金額です。 「1,100円」「¥1,100(税込)」のように税込の金額を大きく書いておけば、決まりの上でも、お客様にとっても、いちばん分かりやすい値札になります。
税抜の価格も見せたいときは、税込の価格のあとに「(税抜1,000円)」と小さく添えます。 税抜の価格だけを書くのは避けましょう。
総額表示とは(値札・POP・価格表が対象)
消費税の課税事業者がお客様(消費者)に向けて、前もって価格を表示するときは、消費税を含めた総額を表示する決まりがあります。 これを総額表示といい、2021年4月1日から、税抜の価格だけを書く表示はできなくなりました(消費税法第63条)。
| 対象になるもの | 対象にならないもの |
|---|
| 値札・プライスカード・値札シール | 口頭で伝える価格 |
| POP・価格表・メニュー表 | お店どうしの取引(卸売りなど)の価格 |
| 店頭の看板・張り紙・チラシ・ネットの商品ページ | レシート・請求書(買ったあとに渡す書類) |
くわしくは国税庁の「総額表示」の案内で確かめておくと安心です。
そのまま使える税込の書き方の例
どの書き方でも、税込の価格(お客様が払う金額)がひと目で分かることが大切です。 次の例は、税抜1,000円・消費税10%の商品です。
| 書き方 | 使い方 |
|---|
| 1,100円 | いちばんシンプル。すべての値札が税込なら、売り場に「表示価格はすべて税込です」と1枚貼っておく |
| 1,100円(税込) | 税込だとはっきり分かる。迷ったらこれ |
| 1,100円(税抜1,000円) | 税抜の価格も見せたいとき。税抜は小さく |
| 1,100円(うち消費税100円) | 消費税の額を見せたいとき |
| 1,100円(税抜1,000円・消費税100円) | 高い商品や、内訳を聞かれることが多い商品に |
| 1,000円(税込1,100円) | 決まりは満たすが、税込の価格を小さくしすぎない |
避けたい書き方
- 1,000円+税税込の価格が書いていないので、課税事業者のお店では使えません。「1,100円(税抜1,000円)」に書きかえます。
- 1,000円(税抜)・本体価格1,000円同じく、税込の価格がないので使えません。税込の価格を加えて書きます。
- 税込の価格がとても小さい「1,000円」を大きく、「税込1,100円」を読めないほど小さく書くと、決まりは満たしていても、お客様が実際より安いと思ってしまうおそれがあります。
食品(8%)と雑貨(10%)が混ざるお店の計算
食料品(お酒と外食を除く)は軽減税率の8%、雑貨・日用品・服・お酒などは10%です。 八百屋・パン屋・酒屋・小さなスーパーなど、どちらも売っているお店は、税率をまちがえないように注意します。
| 商品 | 税率 | 税抜1,000円のときの税込 |
|---|
| 野菜・果物・パン・お菓子・飲み物(お酒以外) | 8% | 1,080円 |
| お酒(ビール・日本酒・ワインなど) | 10% | 1,100円 |
| 雑貨・日用品・服・本・花 | 10% | 1,100円 |
| 店内で食べるイートイン | 10% | 1,100円 |
パン屋・惣菜店など、持ち帰り(8%)と店内で食べる(10%)の両方があるお店は、同じ商品でも税込の価格が変わります。両方の税込価格を書くか、持ち帰りの価格だけを書いて「店内でお召し上がりの場合は価格が変わります」と添えます。書き方の例は
パン屋のPOPの書き方にまとめています。
1円未満の端数と、きりのいい価格
税抜の価格に税率をかけると、1円未満の端数が出ることがあります(たとえば税抜 98円 × 1.08 = 105.84円)。 切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれにするかはお店で決めて構いませんが、すべての値札で同じやり方にそろえます。
値札を書き直すついでに、税込の価格をきりのいい金額(100円・500円・1,000円など)にそろえるお店もあります。 お釣りの受け渡しが楽になり、お客様にも計算しやすくなります。 価格を上げる場合のお知らせの書き方は値上げ・価格改定のお知らせで紹介しています。
こんなときの税込の書き方
- 値下げ・セールのとき元の価格も新しい価格も、どちらも税込で並べます。「〇%OFF」と書くときも、値引きしたあとの税込の価格を添えます。書き方は値下げの値札の書き方を参考にしてください。
- 量り売り・100gあたりのとき「100gあたり 248円(税込)」のように、単位の価格も税込で書きます。
- 価格表・一覧表のとき1行ずつ「(税込)」と書かなくても、表のいちばん下に「表示の価格はすべて税込です」と書けば伝わります。作り方は価格表の作り方にまとめています。
- お店のページ・ネットの価格ネットに載せる価格も総額表示の対象です。値札とネットの価格がずれていると、お客様が迷います。店頭の値札を直したら、ネットの価格も同じ税込の金額にそろえます。
お店のページ(無料)に取り扱い商品を写真と税込の価格で載せておけば、来店する前に、どんな商品をいくらで扱っているかが分かります。 くわしくはお店の取り扱い商品をネットで見てもらう方法で紹介しています。
値札メーカーで、税込と税抜を並べた値札を作る
値札メーカーの「価格(税込)」に税込の価格を入れると、その価格が大きく印刷されます。 「税抜の価格(任意)」も入れると、価格の横に「税込」の印がつき、下に「(税抜 ¥1,000)」が小さく添えられます。 税抜の価格は自動では計算しないので、税率をまちがえないように、自分で計算した金額を入れてください。
税込の価格を大きく。税抜も添えた値札をまとめて印刷
値札・プライスカードメーカーに商品名と税込の価格を入れるだけ。税抜の価格を入れると「(税抜 ¥…)」を小さく添えます。プライスカード・服や雑貨用のタグ・A4ラベル用紙の値札シール・価格表から選べます。
- 税込の価格をいちばん大きく、税抜は小さく(総額表示の書き方)
- 価格表(一覧)は、下に「表示の価格はすべて税込です」と入る
- 1回目は登録なしで印刷、2回目からは無料登録で何回でも
1回目は登録なしで印刷できます。2回目からは無料登録で何回でも印刷・保存できます。よくある質問
値札は、税込と税抜のどちらで書けばいいですか
税込で書きます。消費税の課税事業者がお客様に向けて価格を表示するときは、税込の総額を表示する決まりがあります(総額表示、2021年4月から)。税抜の価格も見せたいときは、税込の価格がはっきり分かる形で併記します。
「1,000円(税込1,100円)」のように、税抜を大きく書いてもいいですか
税込の価格がはっきり書いてあれば、総額表示の決まりは満たします。ただ、税込の価格が極端に小さいと、お客様が実際より安いと思ってしまうおそれがあります。迷ったら、税込の価格をいちばん大きく書くのが安心です。
「1,000円+税」「1,000円(税抜)」は、もう使えませんか
課税事業者のお店がお客様に向けた値札で、税抜の価格だけを書くことはできません。「1,100円(税込)」か「1,100円(税抜1,000円)」のように、税込の価格を入れて書きかえましょう。
税込の価格に1円未満の端数が出たら、どうすればいいですか
切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれにするかは、お店で決めて構いません。ふだんは切り捨てにするお店が多く、どれかに決めたら、すべての値札で同じやり方にそろえます。
免税事業者のお店は、値札をどう書けばいいですか
免税事業者は消費税を上乗せして受け取る立場ではないので、表示した価格がそのまま、お客様が払う金額になるように書きます。「+税」「税抜」とは書かず、「1,000円」のように払う金額だけを書けば十分です。